不動産買取と不動産仲介の違いは?特徴やメリット・デメリットを比較しよう!
家やマンション、空き家や空き地などの不動産を売却する場合、不動産買取と不動産仲介の2種類の方法があります。
買い主の違い、売却価格の違い、売却手続きの期間の違いなど、それぞれに特徴があり、メリットやデメリットも違いますので、売却したい不動産の状況に合わせて方法を選ばなければいけません。
それぞれのメリット・デメリットや特徴を比較してスムーズに売却を進める準備をしましょう。
不動産買取と不動産仲介、その違いは?
まず、売却する不動産を「買う」買い主の違いがあります。
- 不動産買取:不動産会社
- 不動産仲介:主に個人
売却価格の違いもチェックしてみましょう!
- 不動産買取:不動産市場の相場価格よりも、売却価格が低くなることがある
- 不動産仲介:不動産市場の相場価格くらいで成約する可能性が高い
これは、買取の場合は、不動産会社が買取をした後に、リフォームやリノベーション、修繕などの付加価値を付けてから販売する可能性があったり、すぐに売れるかどうか定かでないなどのリスクを負うためです。
しかし、物件や相談する不動産会社によっては、不動産市場の相場価格と同じくらいで買取をしてくれる場合もあるため、仲介価格と買取価格の両方で査定依頼をしてみてください。
売却の手続き期間も異なります。
- 不動産買取:買い手を探さなくても良いため、早期に手続き完了!
- 不動産仲介:買い手を探すことからスタートなので、売却手続き完了までに時間がかかる
通常、不動産売買契約締結までに3ヶ月くらいを目安としているけれど、場合によっては、3ヶ月以上、1年を超えてくることも…。
不動産買取は不動産会社に不動産を直接買い取ってもらう売却方法
まずは、不動産買取について確認します。
不動産買取の特徴と売却までの流れ
不動産買取の特徴とは、何でしょうか。
- 買い手は不動産会社
- 市場に売却したい不動産を流通させない
売却したい不動産を市場に流通させることなく、次のような流れで直接不動産会社に買い取ってもらいます。
- 不動産の調査をする
- 査定
- 売買契約を結ぶ
- 決済と不動産の引き渡しをする
売り手と不動産会社が直接売買を行うので、スピーディーで手間がかかりません。
不動産買取のメリット7つ
不動産買取を選択するメリットは、以下のとおりです。
- 短期間での売却が可能
- すぐに現金化できる
- 瑕疵担保責任の免除
- 手間と時間がかからない
- 仲介手数料が不要
- 周りに知られることなく売却が可能
- 売却が難しい不動産でも買取可能なことも
不動産売却でもっとも時間がかかるのは、買い手を見つけるための広告・売却期間です。この期間が生じないため、買取が短期間での売却が可能です。
また売主にとっては、瑕疵担保責任を負わなくてもいい点も、非常に大きなメリットだと言えるでしょう。
- 瑕疵担保責任とは
- 不動産売却後に見つかった不具合を、売り手が修繕する義務を負うこと。事前に不具合について告知していた場合は修繕しなくてもよいが、売り手が把握していなかった不具合があった場合も修繕の義務がある。
不動産売却におけるリスクを低減できます。
不動産買取のデメリット2つ
一方で、デメリットは以下の2点です。
- 売却価格が低い
- 相場価格の6割から8割程度になることも
不動産買取は手間がかからない分、売却価格が低いのが特徴です。
不動産買取で売却するのがお勧めの人とは
価格が低くなっても不動産買取で売却する方が向いている人とは、どのような人なのでしょうか。
- 急いで現金化しなければいけない理由がある人
- 不動産売却に手間や時間をかけられない人
- 築年数が古く売却できそうにない不動産を所有している人
- 不動産の売却を周囲に知られたくない人
時間をかけずに早く売りたい!売れないかもしれない物件を何とか売りたい!という人には「買取」がおすすめです。
なので、確実に売りたいなら「不動産買取」がおすすめです。
高く売りたい!買取業者の選び方をチェック
- 買取を得意とする物件を調査する
- 買取後、目的に合ったサービスを提供しているか?
- 買取実績のある業者を選ぶ
- 高く買取ってくれる業者を選ぶ
買取り取扱い物件の種類が多い業者を選びましょう。例えば、戸建てを買取って欲しいのにマンションしか買取ってくれない業者であれば、応じてもらえません。
住宅だけではなく、土地も買取りOKなど希望に沿った対応をしてもらえるか吟味が必要です。
また、買取の際は、以下のようなサービスを提供しているかチェックも必要です。
- つなぎ融資
- リースバック
- 即時買取り
- 買取り保証
買取物件の入金よりも購入物件の支払いが先の場合、つなぎ融資を検討してみましょう。一時的に、購入資金の融資を受けられます。ですが、住宅ローンよりも金利が高いと覚えておきましょう。
リースバックとは、物件の買取後、買取業者が所有主となり物件を借り続ける方法です。賃貸のように住み続けることができます。
不動産仲介は不動産会社に買い手との間に入ってもらう売却方法
次に、不動産仲介について確認します。
不動産仲介の特徴と売却までの流れ
不動産仲介の特徴は、次の通りです。
- 不動産会社が間に入って買い手を探す売却方法
- 不動産会社は売り手をサポートする立場
- 市場に売却したい不動産を流通させて買い手を探す
売却したい不動産を市場に流通させるので、売却までの流れが不動産買取の場合とは違います。
- 不動産の調査をする
- 査定
- 媒介契約を結ぶ
- 売却活動・活動報告をする
- 売買契約前に条件の確認をし売買契約を結ぶ
- 決済と不動産の引き渡しをする
売却活動を行って買い手を探すので、不動産売却までに時間が必要です。
不動産仲介のメリット2つ
不動産仲介を選ぶメリットは、以下のとおりです。
- 市場価格に近い値段で売却できる
- 購入希望者が多く不動産が少ないエリアでは高値がつくことも
大きなメリットは、不動産買取に比べ高値で売却できることです。
不動産仲介のデメリット5つ
一方で、不動産仲介にもデメリットはあります。
- 短期間では売却できない
- 瑕疵担保責任が免除されない
- 内覧に対応する手間や時間がかかる
- 仲介手数料が必要
- 周りに知られずに売却するのは難しい
高値での不動産売却が期待できますが、その分時間や手間がかかります。
不動産仲介で売却するのがお勧めの人とは
手間や時間がかかっても不動産仲介で売却する方が向いているのは、次のような人です。
- できるだけ高値で不動産を売却したい人
- 手間や時間をかけることができる人
- 人気エリアや売却される物件が少ないエリアに不動産を持っている人
時間や手間はかかっても、買取より高値で売れる可能性が高いです。納得がいく価格で売れる可能性は、「仲介」の方が高いと言えます。
特に、人気エリアなどでは高値がつく可能性があるので、仲介が向いています。
買取・仲介両方の特徴を持つ不動産買取保証という方法も!
不動産買取と不動産仲介の両方の特徴を持つ、不動産買取保証という方法もあります。
不動産買取保証の特徴と売却までの流れ
不動産買取保証の特徴を確認しましょう。
- 仲介に出して一定期間売れなかったら不動産会社が買い取る方法
- 不動産仲介と不動産買取の両方の性質を持つ
売却したい不動産を、いったん市場に流通させて買い手を募り、買い手が見つからなかった場合に不動産会社が買い取る流れになります。
- 不動産の調査をする
- 査定
- 買取保証申し込みと媒介契約を行う
- 一定期間売却活動・活動報告をする
- 売却できれば仲介手数料を支払い売却できなければ買い取ってもらう
買い手が市場から見つかることもありますし、不動産会社が買い手となることもある方法です。
不動産買取保証のメリット4つ
不動産買取保証のメリットを確認しましょう。
- 売りたい期限内に確実に売却できる
- 高い価格で売却できる可能性もある
- 買取価格が決まっているので不動産買い替えの資金計画が立てやすい
- スケジュールがずれない
仲介で売却できれば高値で売れますし、仲介で買い手がつかなくても確実に売却できる安心感があります。
不動産買取保証のデメリット2つ
一方で、不動産買取保証のデメリットは以下の2点です。
- 仲介で売れなければ売却価格が低くなる
- 途中で不動産会社を変えることができない
不動産会社との契約方法には、以下の3つの種類があり、それぞれで異なる特徴を有しています。
一般媒介契約 | 複数の不動産会社と契約できる |
---|---|
専任媒介契約 | 1社のみと契約・自分で見つけた相手になら不動産を売れる |
専属専任媒介契約 | 1社のみと契約・自分で見つけた相手にも不動産を売れない |
それぞれにメリット・デメリットがありますが、不動産買取補償で選べるのは、下2つのみ。不動産会社の選択肢の幅が狭まってしまいます。
不動産買取保証で売却するのがお勧めの人とは
不動産買取保証で売却するのがお勧めなのは、どのような人でしょうか。
- 転勤が決まっていて売却する期限がある人
- 住み替え先が決まっていて引っ越すまでに売却したい人
- 離婚によって不動産を手放す必要がある人
- 相続で不動産を売却し現金化したい人
築年数が古いと、売れる可能性が低い・リフォームすると手間や費用がかかるなどの問題があるので、確実に売りたいなら売却がお勧めです。
買取と仲介で悩んだときの対処法3つ
買取と仲介には、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。それらを知った上で、「自分にとってはどちらが良いのかわからない」と悩む方もいます。
こんなときには、ぜひ以下で紹介する3つの対処法を実践してみてください。売却活動を、より有利に進めるためのヒントを得られるでしょう。
不動産の相場感覚をつかむ
不動産を、できるだけ早く、高く売却するために、重要な情報となるのが「相場価格」です。
相場を知らなければ、業者から提示された査定価格が妥当かどうか、判断できません。また、買取と仲介のどちらが有利なのかも、わからないでしょう。
不動産の相場価格を知りたいときに、役立つのが「不動産一括査定サービス」です。一度の入力で多数の業者の査定を受け取れるため、大体の相場感覚を掴めるでしょう。
複数の不動産会社を検討する
世の中には多数の不動産会社があり、それぞれで異なる特徴を持っています。「最初の会社にそのまま依頼する」のではなく、しっかりと比較検討してみましょう。
具体的な比較ポイントは、以下のとおりです。
- 査定金額
- 自身が希望するサービスの提供があるか
- 担当者の提案力やサポート力
金額はもちろん、その他のポイントについても、忘れずにチェックしておきましょう。
仲介と買取の両方を行う業者の話を聞いてみる
「仲介と買取、どうしても決められない…」という場合には、両方を手掛ける不動産会社から、話を聞いてみるのもおすすめです。
過去に多くの実績がある不動産会社なら、各種条件を考慮した上で、仲介と買取のどちらが有利になりそうか、ある程度予測できるでしょう。ヒントとして活用できます。
不動産買取と不動産仲介の違いを知って売り主の状況に合う売却を!
不動産買取は直接不動産会社に不動産の買い取りをしてもらう方法で、短期間で売却できる半面売却価格が低くなります。
不動産仲介は売却価格が高くなりますが、売却までに時間や手間がかかる方法です。
それぞれの違いを知って、売り主や売却したい不動産の状態に合わせて売却方法を選び、スムーズに不動産の売却を進めましょう。
不動産売却手法で悩んだときには、不動産一括査定サービスを利用するのもおすすめです。相場感覚をつかみ、不動産会社に関する情報を集め、売却活動の最初の一歩を踏み出してみてください。